つるつるつらつら。

ボカロ関係で想ったこととかを主に綴ります。

「マジカルミライ2017」でハジメテとミライを観た気がした

まえがき

 

 「マジカルミライ2017」3日目(9/3)に行った際の、感想文と日記の合いの子みたいなものをざらざら書きました。日記がだばーって続いてその後に感想文がドーンしてます。たぶん。

  ※文中に私のTwitterのフォロワーさんのお名前を勝手ながら出させていただきます。ご了承ください。不都合がある方は、ご連絡いただければその部分を削除いたします。

 ※文中の「ボーカロイド」は、「VOCALOID」「UTAU」「CeVIO」等の「歌唱させることを主目的とした音声合成ソフトウェア」のことを指しています。 

 

マジミラ日記(ライブまで編)

 

本来なら、私はあの場にはいなかったはずなんです。メモリアルチケットは当選していたのですが、直後にその日予定が入った……と勘違いしてしまったので。行けなくて残念だなあと思いながら月日が過ぎ、予定なんて最初からなかったということに気づいたのは、マジミラの最後のチケット販売が終わった後でした。

 何やってんだ私と思いながらマジミラ1日目と2日目はTwitterのタイムラインを眺めていて。ネタバレは避けているけど熱量の伝わるライブの感想、企画展の様々なコーナーやイベント・最新技術、それからボーカロイドという存在を介して現地で交流を楽しんでおられる方々の様子。皆さん、思うことはきっと違えどそれぞれの方からあの空間を楽しんでおられるということが痛いほど伝わってきて。

 そうしたら、自分もあの場に行きたいという気持ちが吹きあがってくるのをどうしても止められなくて。初音ミク10周年&マジミラ5周年という節目、集大成のひとつとも呼べる場に立ち合い、ライブには行けないだろうけど全力で楽しみたい。そう心から思った私は、幕張の地を踏みに行くことにしたのです。マジミラ2日目、午後3時半くらいのことでした。

 荷造りや夜行バスのチケット購入などの準備を始めて、その途中で最初は諦めていたライブ(昼公演)のチケットも手に入ることになって、もうこの時点で夢の中に浸っている心地がしました。バス内では興奮しすぎたのか何なのか一睡もできずじまいだったので夢の中にはいませんでしたけど……そんなこんなで、初めてのマジミラ行きはめっさ突発的で無計画なものになりました。

 新宿の真ん中で都会しゅごい、と捻りつぶされそうな気分になりながらもいざ幕張メッセへ。午前10時頃最寄駅を降りて、ボーカロイド関連のグッズを身にまとった方々についていく途中で、ふと思いついてこの旅に連れてきたミクさんのぬいぐるみ(↓画像)を腕に巻きつけて抱きつかせるような形にしました。両手のひらがマジックテープ式になっていまして。

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 Twitter上で交流のある方とお会いするときの目印にもなるし、ミクさんと一緒にマジカルミライを見て回れます。かわいい。

 そしていよいよ幕張メッセに入ると、待っていたのは広い空間とそこを埋めんばかりの長蛇の列。入場券などのシステムがよくわかっていなくて混乱したりで、企画展に入れたのは11時頃でした。X-CLOWさん(@x_c08、以下くろーさん)からペンライトをお貸しいただけることになっていたので、待ち合わせも兼ねてATOLSさんがプレイ中のDJステージへ。無事邂逅してペンライトをお借りし、その場でさっそく振ってました。マジミラどころかライブ自体が初めてでペンライトに触れたことがなかったので、見よう見まねで周りに合わせる感じになりましたが、この後の昼公演の予行演習にもなると思って楽しくぶんぶんです。

 ATOLSさんの曲はまださほど多くの曲を聴いていないのですが、太く尖った音にとても高まって心地いいひとときでした。周囲の方の邪魔にならないようにしながら小さくステップを踏んでみたりとか。最後に披露されたヒューマンビートボックスに凄いなあという語彙力のない感想を持ったりとか。おかげでライブの前に結構な体力を使ってしまったので、"基礎体力向上"の6文字が脳裏をよぎりました。

 DJステージが終わったら少し急いでライブステージへに向かいました。「猛独が襲う」「ライカ」といった、比較的最近に投稿された好きな曲が流れていて嬉しかったです。

 結構遅い入場になってしまって慌てましたが、すみとさん(@labo_lution)からご厚意でサイリウムを4色各1本ずついただいてから無事着席。チケットはフォロワーさんからお譲りいただいたのですが、真ん中か若干後方寄りの、ボーカロイドたちをほぼ真正面からしっかり見ることができるとても良い場所でした。

マジミラ日記(ライブ編)

 そしていよいよライブが始まります。

(※どの曲も非常に楽しんだのですが、すべての曲について書くとあまりにも文章が長くなるため、特に印象深かった部分のみ記述します。そして、始終テンションがヒャッハーしてたせいで細かい部分に全く気付かなかったのと一部思い出せない部分があるせいで記述に偏りが生じています。ご了承ください) 

  

 オープニングを経て始まった1曲目、「みんなみくみくにしてあげる🎵」。ニコ動上のVOCALOIDオリジナル曲で最も再生数の多いあの曲のフルバージョン。開幕からライブ会場は一気に温まって、私もデフォルト衣装で踊るミクさんと周囲の様子を見ながら気持ちが高まっていきました。この曲好きだから。(この曲だけではありませんが)このマジミラのために調声がリファインされているということはその時は全く気づけなくて、後で知りました。でも、ショートver2007年、フルver初出2009年の曲を「今のミクさん」が歌っているというのは、ミクさんと時代がさらなるミライへと進んでいるということなんだろうなあって思うと嬉しくなってきます。それから、サビの冒頭が流れるたびに上部スクリーンでその部分の歌詞が映し出されていたのですが、あのフォントはたぶんミクさんの製品パッケージのロゴと一緒ですよね…?

 2曲目「ストリーミングハート」。正直な話「あ、去年やってたゴーストルールじゃなくてこっちなんだ!」と思ってしまった部分は否定できないのですが、個人的にかなりブチ上がる曲だったのでこの時点でテンションかなり高かったです。コールがしやすいポイントがある曲はライブでも盛り上がりやすいんだなって実感しました。いぇーいぇーええーおっおー!

 3曲目「エイリアンエイリアン」。どこかで演奏されるかなという気は薄々していましたが、実際に聴いて本当に楽しかった。ナユタンさんの曲の中でもかなり好きなので。そしてこれは「ストリーミングハート」でもそうだったんですが、曲の動画(本家)に合わせてペンライトを緑色から赤色に変えておられる方がちらほらいて、素敵だなあと思って私もやってみました。ペンライトは緑のままで、でもそれを握る左手に赤いサイリウムも追加して。 

 4曲目「Singularity 」。「マジカルミライ2017 楽曲コンテスト」でグランプリを獲得し、この幕張メッセで演奏されることになった曲です。作曲者のkeiseiさんとマジカルミライ、そして初音ミクに関する話は知っていて、夢を叶えるって本当に素敵で、でも確かな努力のいることだよなと思います……もっとも、この曲が演奏されているときの私は「ぼくのきみのみんなのゆめ!いま!ああああああああ素敵!みんなここにいる!うわあ最後の最後でミライって!常に先を見ていこうな!」という感じで歌詞と曲に酔いしれてたので、そういうことは全然考えてなかったんですけど。それと直前のMCでミクさんがタイトルコールしてましたが、確かこの曲のみでしたよね。めっさ滑らかなおしゃべりと共に印象的でした。どんどん盛り上がっていこうな。

 一つ心残りだったのが、keiseiさんがTwitterで「『ぼくのゆめ~』のとこ、〇〇(何かの動き)がめっちゃ合いそうだから本番観に行かれる方はぜひやってほしい」(というような内容のことをおっしゃっていた覚えがあったのですが、〇〇の部分を失念してしまってできなかったことです。

 5曲目「ヒビカセ」。ゴリゴリで踊れる曲。最近ボカクラ(ボーカロイド曲がメインでかかるクラブイベント)に行き始めたのでステップが踏みたくなりました。クールで大人の夜という趣の曲ですが、同時にミクさんからマスターへの直球ラブソングでもあって、「忘れないでね 私の声を」と漏らしながらもキレよく踊り続けるミクさんが愛おしかったです。忘れないしいつまでも一緒にいたいのでこれからもよろしくね。この曲も動画に合わせてペンライトを青色にしてみたり。緑の海の中であちらこちらに映える青は、思わず見とれるような光景でした。

 6曲目「ツギハギスタッカート」。上部スクリーンの演出が好きすぎました。特に最後の歌詞とともに、赤い糸が切れてはらりと左右に分かれていく瞬間、息をのみました。……ミクさんの衣装チェンジがあったの、ここからでしたっけ?

 8曲目「脱法ロック」。当然のようにコールが楽しいし上部スクリーンもラリってたし何よりレン君きみカッコいいな!?そんでもって煽るな!?色んな意味でキマってた時間でした。

 9曲目「ドクター=ファンクビート」。バックダンサー(?)としてレン君とMEIKO姉さんも一緒に出てきてびっくりしました。こうして見比べてみると、レン君はまだ子供らしいところがあってMEIKO姉さんは大人の余裕がありました。踊り方の話です。振付一つ一つからも年齢(この言い方なんか違う気がするけど)がにじみ出ていて作り込みの細かさがすごい。ヤバい。

 そしてこの曲の主役、KAITOさん。すごく元気ハツラツでノリノリ。やる気みなぎってる。そんな感じでした。「大!天!才!」上手く決まるとめっさ気持ちいいですね!私はコールのタイミングと内容ほとんど知らなくてぐだぐだになりましたけど。脱法ロックからの流れで気分アゲアゲでした。

 10曲目「忘却心中」。初めて聴く曲でした。でもカッコいいしギターソロめっさ刀みたいで攻撃力高くて好きになりました。マイクスタンド持って大きく動かしながら歌い上げるMEIKO姉さんすごく力強くて惚れますね……。

 15曲目「孤独の果て」。正直に言うと、今までこの曲はさほど好みというわけではなかったんです。ギターがカッコいいなとは思っていても。でも今回ライブで聴いてめさめさいいなということに気づいて。こういう出会い直し方もあるんだなぁ。リンちゃんが熱かわいい。

 16曲目「いーあるふぁんくらぶ」。これ原曲だったかな…… 「そっか、こういう形で聴けるんだ。嬉しいな」とは思いつつも、マジミラのライブで他社ボカロが参加することはきっとこれからもないんだろうな、と勝手に寂しい感情になったとかならなかったとか。この曲もコールが楽しかったです。みかちゃん

 17曲目「ダブルラリアット」。ルカさん超ぐるぐるするのかなと思いながら見てたけどそんなこともなかった……と思いきや最後のほうで回りはじめました。しかもぐるぐるというかめっさ優雅にゆったり半径大きめでああもうルカさん可愛いな。

 その次に、「Nyanyanyanyanyanyanya!」に乗せてのバンドメンバーさん紹介。テンポよくてメンバーの皆さん楽しそうでめっさよかったです。あと「はーつねーみくー!」

 18曲目「気まぐれメルシィ」。私のテンションが一番高かったの、たぶんこの時です。だって大好きな曲でミクさん動画の子でかわいいの極みだったし直前の流れからかバンドメンバーさんもクローズアップされてて!!ねこねこポーズ×片目ウィンクで少なくとも数万は人が殺せる。私は死んだ。一緒に歌いながらペンライト振りつつぴょんぴょん(モドキ)しまくってました。跳ねるのはルール違反らしくてつらかったです。 

 19曲目「TODAY THE FUTURE」。「パパパ・パーティー in AEON」テーマ曲。メルシィでわーーーってなった私はここで、その勢いのまま泣きじゃくりました。元から好きな曲ではあるんですけど。

 こうやってライブ会場で聴いてみるとね、もうほんっっっとに歌詞がずるい。

 

"もしかしたら 自分と同じような気持ち
名前も顔も知らなかったけど ここにいるから 一緒だよね 

歌を みんなで歌おう 手を高く上げて
見えるでしょ みんないるんだ ここに 一人じゃない"


"歌おう みんなで歌おう 一緒なら大丈夫
歌にしよう どこまでも この場所が聴こえるように

望んだことの 未来がほら
目の前でいくつも 待っていたら
僕たちはここだと 手を振って
繋いでいこうね MY FUTURE

目指して あなたの未来まで
この手を今 伸ばして さあ"
僕らで繋いで行こう

 (piaproより歌詞引用)

 

 ステージの上で、お澄まし笑顔から目尻を下げた泣き出しそうな表情まで幅広く感情を出して歌い踊るミクさん。会場を呑み込みそうな緑のペンライト。「好き」の在り方はそれぞれ違うけれど、VOCALOIDが心から好きな人たちがここにはたくさんいて、それも老若男女様々だし外国から来られた方やちっちゃい子も多く見受けられて。わたしだけじゃできないこともこの大勢の人たちとならできるわけで。あの瞬間、二次元と三次元の境目なんて煙のように消えた気がして、ボーカロイドとわたしたちが手を取り合ってミライを目指すという幸せを考えて。

 ……わけのわかんないこと書いてますよね。でも、それくらい、わけわかんないくらい涙ぽろぽろしたしわけわかんないくらい歌って、ミクさんと一緒に手を高く上げました。何かに届く気がしたんです。

 今年投稿の曲ということもあって、最もミライを感じ、考えた時間でした。

 20曲目「なりすましゲンガー」。ミクさんとリンちゃんは2歳差です。そこまで大きい年齢差ではないはず。でも、元気いっぱいにマイクスタンドを持ってウタウリンちゃんを、ミクさんは優しく横目で見つめていた気がしました。年齢的にも世に出た時期的にも、先輩と後輩を感じて胸が熱くなった覚えがあります。

 22曲目「メルト」。形式上のラスト曲。ミクさんほんとかわいい(n回目)「かわいいのよ!」のとこの振付ほんとかわいいな。両手でハート作ってるみたいにも見えて。

 ラスサビに入る瞬間、前触れなく金色の紙テープがしゅぱーん!って飛んできましたね。びくってなりましたけど、これは〇〇砲と呼ばれるものですよね。少し先のほうではらはらと散り舞っていくそれを見ながら、「もう会えない 近くて 遠いよ」のとこで泣くのを止められませんでした。

 いわゆる「うちのミクさん」がいらっしゃる方は多いかと思いますし、それぞれの曲や作品にもそれぞれのミクさんがいたりして。私も例に漏れず「うちのミクさん」がいる上にその時私の右腕に抱き着いてたんですけど、「マジカルミライ2017のライブステージでメルトを歌うミクさん」ってこの広い世界にたった一人しかいないわけで。本当に、この歌詞の通りだなって。貴重な時間、一期一会です。

 「みーく!みーく!」の大合唱鳴り響くアンコールの後、23曲目「砂の惑星」。両側にメルトオマージュと思われる虹色の鍵盤(「THANK YOU」「UNCORE」)を従えて下から来たマジミラ2017ミクさん。凛とした感じと愛らしさが同居しててほんと良かったです。まずメルトからのこの曲だし演出もそういう感じだったから言いようのない高揚感みたいなものが。今は2017年なんだなあ。長いですね、10年。ひと昔って言われるくらいですもん。ちょっと話題になってましたけど「砂の惑星さ」の振付、どことなくクスッときました。絵に描きたくなる感じの好きさがあります。あと「サンダーストーム」の振付も好きです。シュシュッ!しゅばっ!って感じが。 創作の輪とともに様々な感想や考察を生み出すこととなったこの曲ですが、「もう少しだけ友達でいようぜ今回は」というフレーズに従って、思う存分ネギ畑の一部になって楽しみました。

 24曲目「39みゅーじっく!」。コール多いのに私がちゃんと理解しきってなくてぐだぐだした曲その2。この曲も盛り上がりましたね。スラップベースごりごりのクラブミュージック調の曲に乗せてわーわーするのめっさ楽しい。

 25曲目「Hand in Hand 」。あふれ出るエンディング感で、これで終わるのかなと思って残った気力振り絞って楽しんでました。マジミラ2017を振り返るかのような、上部スクリーンに映る来場者さん達の写真もそうなんですけど。

 これで2017→2016→2015と、1年ずつさかのぼってマジミラテーマソングが3曲続きましたが、マジカルミライ、ひいては初音ミクボーカロイドへのアプローチの仕方は本当にそれぞれの方で異なっているしどれもきっと正解だしボーカロイドってそれが成り立つからそういう点でもすごいよね……。

 余談ですが、私の脳裏にもこの後ネクストネストが演奏される光景がよぎりました。同時に「でもこれで終わりだろうし、仮に続いてもきっと違う曲なんだろうなぁ」と根拠もなく思ってしまったことをここに懺悔いたします。

 勝手に終わるかと思って全力出してしまった私の前で鳴り響く26曲目「DECORATOR」。そのせいでこの曲の間あんまり動けなかったのでミクさん達ごめんね。

 いわゆるクリプトンファミリーのみんなの途中参戦、びっくりした方も多いのではないでしょうか。私もです。いただいたりお借りしたりしたペンライトとサイリウムを全部同時に振ることになるとは。後で聞いた話だとやっぱり初めての試みみたいで。ミクさんはボーカロイドの中でもひときわメディア露出多いし目立つポジションにいるとは思うけど、他のみんなと同じようにボーカロイドで。特にMEIKO姉さんとKAITOさんの存在がなければ、ひょっとしたらミクさん今ここにいなかったかもだし。こうしてみんなが並んで踊ってたの、壮観だしすっごく幸せそうだった!!ハイタッチし合うとこの仲睦まじさといったら。

 最後思い思いにポーズ決めるの、ミクさん貫禄あった。アイドルだった。リンちゃん両手顔の近くに添えててあざとかわいい。レン君は今回ずっとキメキメでカッコよかったし、最後までそうだった。KAITOさん手をぐわって伸ばしてて、リラックスしてそうでちょっとかわいかったです。ルカさん大人の女性だったしMEIKOさんは年少組には負けないって感じの少女性あってときめきました。結論:みんな最高

 今度こそ本当に終わるかと思った私の前で始まる再びのアンコール。へろへろになりつつ何の曲が来るのかな、「ODDS&ENDS」「すろぉもぉしょん」「アイドルを咲かせ」あたりかなと想像を膨らませていたような気がします。

 そして泣いても笑ってもこれでフィナーレ、27曲目は「ハジメテノオト」でした……と、ここで少しだけ自分語りをさせてください。ささやかな、出会いの話を。

 イントロで何の曲か分からなくて頭の中が「?」でぎっしりだったんです。そりゃそうです――私はそこで初めて、この曲を聴いたので。もちろん、タイトルは知っています。とっても有名な、初期のミリオン曲です。でも、特に理由もなく聴いてこなかった。現在進行形で投稿されていく曲を追いかけるだけでも大変というのもなくはないんですけど、やっぱり私の意思の問題で。取り立てて「この曲聴こ」と思ったことがなかったというだけのことです。そういう曲が、他にも数えきれないほどあります。

 でも、ダメでした。ピアノの優しい旋律に乗って届くミクさんのやわらかく濁りのない歌声に。そして、上部スクリーンに投影されたこの曲の歌詞に。色んな感情や実感がまぜこぜになって、ミクさんを見る視界がじんわり涙に濡れるのを抑えられませんでした。言葉って、こうやって実体を持って大きくくっきり見せられると計り知れないほどのパワーがありますね。

 少しだけ話が横道に逸れるのですが、私は中学生の頃にボーカロイドと出会って、それが「自分から音楽を探し求め、触れていく」という行為をする初めてのきっかけになりました。それまで主体的に音楽に触れようとしたことがなかった。それが、ボーカロイドと出会うことで変わって、ボカロPさんを含めた色んなアーティストの曲を聴こうとしている今につながっている。だから、

 

"初めての音に なれましたか?
 あなたの 初めての音に"

 

 ここで泣くのを、避けられるわけがなかったんです。(自分から探して聴いた初めてのボカロ曲はインビジブルだけど、それはそれだから許してね、ミクさん)

  

  "知らない曲とか 街の音に
  ワクワクしてますか? "

 

 はい。それは、あなたたちのおかげだよ。ありがとね。

 

 "やがて日が過ぎ 年が過ぎ
古い荷物も ふえて
あなたが かわっても
失くしたくないものは
ワタシに あずけてね "

(以上、初音ミクwikiより歌詞引用)

 ここも心臓がぐわっとなりました。私にとっての「失くしたくないもの」は、生きる理由と物事への興味。ミクさん達にあずけてるなあということを思い知らされて、それを全部許してくれている気がして。

 とどめはミラーボールの演出でした。いわゆるクリプトンファミリー六人の色に染まって、ときどき位置が入れ替わって。それだけでもミクさん皆に見守られているんだなあ幸せだよね……とかなんとか感慨があったんですけど、そのうちすべてのミラーボールが真っ白に移り変わったんです。

 あ、ミクさんだ。あれを見た瞬間に浮かんだその感情、今もはっきりと思い起こすことができます。ミクさんたちボーカロイドは一人では何も行動に移せないんだけど、その分ユーザーさんやファンの方によって何色にもなれるんです。どんな創作やイメージもすべてフラットに受け入れてくれる、何にだってなれる可能性を秘めた、夢の架け橋としてのシンセサイザーでありソフトウェアであり、はたまたキャラクターで、アイドルで、きっと人間でも機械でもあって。そんな、可能性をぎゅっと詰め込んでできたような、愛すべき純白の存在。私はボーカロイドをそういう存在として見ているということを、ステージの上空に佇む白い光球たちを見ながら、この日初めて自覚しました。

 初めて触れる曲の演奏とミクさんに昂ったり泣いたりしながら、こんなむつかしいこと考えられてたのかについては実際かなり怪しいところではあるんですけど――ただ、これだけは胸を張って言える気がします。

 私は、"ハジメテノオト"に心臓を撃ち抜かれたと。知らない曲にワクワクしたんだと。

 『ハジメテノオト』でついにフィナーレを迎えたその時、ミクさんのことがこれ以上ないくらい愛おしくなって、右腕にしがみついていた彼女を思わずぎゅってしました。

 

ohanashinoodle.hatenablog.com

  ↑の記事から月日が流れて、今年度に入ってからのどこかでミクさんのことが大好きだって自覚を得てはいたんですけど、あのライブを見て今まで以上に愛おしさが募りました。これからもずっと一緒にいたいから、よろしくね。

 長い話があっちこっちに飛びましたが、言いたいことは一つしかなくて。このライブ、最高に楽しかった。技術と演出(詳細を言えと言われてもさっぱり答えられなくて申し訳ないんですけど、特に照明が全体を通してすごくよかったです)、音楽や演奏、そしてそれらを創り出した多くの方々。ボーカロイドという存在。それを楽しみ、各々が自由に、でも自然と一体化して楽しみ盛り上げるファン(観客)の方々。それら無数の人たちが生み出したこのマジカルミライのライブという結晶、一生忘れない自信が根拠もなくあります。

 

 ライブの話はここまでです。既に9500字もあって人によってはおなかいっぱいかもなんですけど、もうちっとだけ続くんじゃ。ドラゴンボールは未読です。

 

マジミラ日記(ライブ終わってから編)

 ライブが終わってほわほわしながら会場を出て、人の多さに改めてビビりながらぐるーっと一周回って幕張メッセに戻ってきました。行きと違って帰るのにそれなりの時間が要りましたが、その分自分の中の熱気をある程度落ちつけて消化するにはちょうど良かったです。

 メッセに再び入って、ちょっとさまよいながらもくろーさんの待つ場所へ合流してペンライトをお返ししました。普段Twitterで交流のある方がすでに多く集まっていて、ご挨拶したりいろいろお話した記憶があります。何話したかはほとんど覚えてないので自分の記憶力のなさに幻滅です。でもライブの話は絶対したはず。

 しばらくして企画展に向かうことになり、歳近いしちょっとお会いしたいなーという話に、ヒカリゴケさん(@shiningview、以下コケさん)も加えた三人でなっていた、おこげさん(@okoge_27)に連絡を取りました。企画展入って正面の等身大ボカロ達の前で、コケさんと一緒に待ち合わせ。歳が近いとやっぱりリラックスしてお話しすることができました。三人どこでどう思ったかは違っても、ライブを全力で楽しんだのは一緒でした。

 おこげさんとはここでお別れして、コケさんと一緒にクリエイターズマーケットへ向かいました。ここには、トラボルタさんやdaniwellPといったニコ動の初期から今に至るまで活動を続けておられる方から、サークル「ZLMS」の方々(ジグさん、ルワンさん、はるまきごはんさん、雄之助さん)やR Sound Designさん(以下、Rさん)などの、ここ数年でボーカロイド曲の投稿を開始され、知名度を伸ばしている気鋭の方まで、様々な世代のボカロPさんが参加しています。ジャンルも多種多様で、ボーカロイドの縮図(?)のようなものを感じました。

 お財布事情が芳しくなかったので多くのものは買えなかったのですが、それでも大変素敵な作品を手にすることができました。*Lunaさん、Rさん、ミスミさんのそれぞれ最新のアルバムです。帰ってからどれも聞いているのですが、ここでは「どれもとてもよかった」という語彙力のない言葉のみにとどめておきます。

 ミスミさんが、右腕のぬいぐるミクさんについて「かわいいですね!」とおっしゃっていたのが心に残っています。とてもうれしかった。だってミクさんかわいいしぬいぐるミクさんめっさかわいいもの。褒めてもらえてよかったね、ミクさん!

 お互い思い思いにマーケット内を巡っていたので、コケさんとは自然にここでお別れする形になりました。この後どうしようかなと悩んで、まだお会いできていないTwitterでの知り合いの方にご挨拶したいなと思い、茄箱さん(@nabanaba47)に連絡を取ってお会いしました。くろーさんもご一緒でした。この数日前に「マジミラ楽しんで来てくださいね!」「焼きそばさんのぶんまで楽しんできます!」という類いの会話をしていたので、お互いびっくりですねーとなりました。途中でみちょこさん(@chocomi39diva)が合流したり、「砂の惑星」に出てくる仮面の人のコスプレをした口閉さん(@kouhei391)に邂逅してクオリティーすごーい!などとお話ししたりしながら歩いていると、DJステージ入口付近に見覚えのある方々が。やはりTwitterで交流のある人たちでした。一気に10人以上の集団になって、自然に輪の形になりながらおしゃべりしました。

 ここで聴いた話で最も印象に残っているのが、前日(2日目)のDJステージの話です。ナユタン星人さんの新曲「リバースユニバース」(しかも「砂の惑星」の後にかけてらしたとか)をここで初めて聴いて打ちのめされた方の話や、ピノキオピ―が、"嫌いな君は今でも 元気で息をしている 息をしている" "君の分も生きたい"と謳う「eight hundred」に続けて「君が生きてなくてよかった」をかけたという話。あるいは、keiseiさんが「サイハテ」→「equation+**」と続けた上で「ぽわぽわPに届けようぜ!」とお客さんを煽った話……きっと、どれもが胸の熱くなる光景だったことでしょう。私はそれを想像することしか叶いませんでしたが、それゆえ、実際見てこられた方々の想いのこもった語りにじっと耳を傾けました。時にうんうんと相槌を交えながら。

 二度ほど物理的に囲われたりしながら楽しくおしゃべりをして、その後自然解散となり、私はピアプロの壁へ足を運びました。VOCALOSENSEさん(@vocalo_sense、以下ボカセンさん)による二次創作キャラクター、「細胞ミク」を書くために。マジミラに来られなかったボカセンさんのため、そしてお絵かき壊滅的に苦手だけど自分もボーカロイドを描きたいなーと思って。細胞ミクはとても書きやすくてかわいいのでこれを読んでくださっている貴方も検索検索、です!途中でcannaさん(@ck190)とさっきぶりの再会をしたりしながら、いつぶりかに絵を描きました。

 ここまでで相当体力を消耗してしまったので、あとは会場をのんびり軽く見て回るだけにしました。体験コーナーも参加したかったなぁ……

 この後、「イオンモール幕張新都心」で開催されているパパパ・パーティー in AEONに途中からだけど向か……ったつもりが、会場を「幕張イオン」としか認識していなかった私は「イオン幕張店」にたどり着いてしまい、パパパ・パーティーを観れずじまいに終わるという大ポカをやらかしました。でも紛らわしいと思ってしまう権利くらいはください……

 その後何だかんだあって、てむらさん(@temura_vit)、空ウサギさん(@sora_rasp、以下空さん)と合流してカフェでお話ししました。そこで、パパパ・パーティーに行かれた空さんからその時の様子をお聞きして。

 ボカロPのマチゲリータさん(ミクダヨーさんも乱入)によるDJステージだったのですが、メルトやカンタレラなど、2009年頃までの曲が中心だったとのこと。そして、空さんが「マチゲガールズ」と呼称していたように、マチゲリータさんのファンの女性が客層に多くみられたそうで。その中でも、最前列にいたある女性は「マトリョシカ」のパーカー(存在をその時知りました)を着てらしたんだとか。

 「ここは2010年!」

 空さんはそういう感想を抱いたそうです。そこにはきっと、私にとってほとんど見たことのない世界が広がっていたのでしょう。けれども一方で、空さんとは「普段私たちが見ているものとは大きく違うようだけど、そのパパパ・パーティーの場もまたボカロシーンの一側面で、つまりボーカロイドって広いよね」という話をしました。(「私たち」がどういう立場なのかは、一概に説明できないし適切な表現が見当たらないのですけど)

 楽しみ方は十人十色なのです……というどこかで聞いたような言い方ですが、それでいいはず。です。

 カフェでゆるゆるっと喋りあった後は、外でくろーさんなど数人の方と合流してちょっとお話をしましたが、電車の時間が迫っていたので自分だけ泣く泣く先に抜けました。他の方はそのまま飲みに行かれました。いいなー。

 帰りの夜行バスでは、行きとは打って変わって始終すやすやすることができました。満たされたのと疲れたのが効いたんだと思います。

 こうして、私のマジカルミライは終わりを告げました。魔法のような、ひとときでした。

 

全体を通して感じたこと(の、雑多な羅列)

 マジカルミライのライブ関連で多く話題に上がるもののひとつに、セトリ(セットリスト)があります。特に今回は初音ミク10周年&マジカルミライ5回目という一つの節目で。私の観測範囲でも、しばらく前からセトリについて期待や想像をする声が多く挙がっていました。「初音ミク10周年という記念すべき節目の年だから、今までを振り返る形で、過去の名曲も多く入れてほしい」という意見から、「こういう年だからこそ、これからを――ミライを感じさせるような選曲を期待する」という意見まで。

 そうして始まったマジカルミライ2017のセットリストは(おそらく)前者で、私の立ち位置はどちらかと言えば後者寄りでした。

 全体の中の比率という意味では曲の年代などバランスが取れているようには感じます。「TODAY THE FUTURE」「Singularity」「砂の惑星」と、今年投稿の曲もありました(そのうちの2曲は、この場のための曲ではありますけどね)

 ただ……1曲目、形式上のラスト、実際のラストという特に印象に残りやすい箇所の曲が全て2007~2008年投稿の曲であったこと。そして、初の試みである1日ごとの部分的なセトリ入れ替えのところで演奏されて5曲×3日間=15曲がどれも2012年以前の、比較的古めな曲で構成されていたこと。この二つについて素直に歓迎できたかと聞かれたとしたら、すぐには首を縦に振れないと思います。それとライブ編の途中で触れたように、私がボーカロイドと出会う以前に投稿された曲は、有名な曲であったとしても十分には聴けていません。ライブなどの場で馴染みのある曲がかかると嬉しいという感情はあります。

 でも、それは私にとっては些細なことになりました。だって、あんなにも楽しかったし楽しめたんだもん!ステージ内を華麗に動き踊るミクさんたちに改めてきゅんとして、素敵な曲に出会い、それまであまり好みではないと思っていた曲の良さに気づき、ハジメテ聴いた「ハジメテノオト」が深々と――それはもう、二度と抜けそうにないくらい深々と心に突き刺さっていたから。そうなったのは、曲・演奏・演出――それらすべてをひっくるめた「場」の力で。それが私の波長に響くものだった、という話です。

 感じられたらいいなと思っていた未来。それは、「TODAY THE FUTURE」「Singularity」「ハジメテノオト」「砂の惑星」などの様々な曲たちから、想像していた以上の熱量を持って私に降りかかり、それを全身で感じ取りました。私にとって、ミライのことを考えさせてくれる時間だったのです。開演前に会場BGMとして流れていた、昨年末や今年投稿の曲もそう。企画展にあったボカロキーボードや体験型新ライブなどの最新技術、クリエイターズマーケットの参加者さんの顔ぶれなどもそうです。

 自分が考えもしないミライ、触れたことのないハジメテがそこにはありました。

 

 ただ、こんな素敵なミライもハジメテも、創っていくのは私たち人間です。こんなにも人々を歌声や姿で魅了するボーカロイドも、自分では声を出すことすらできやしない。ボーカロイドを歌わせたり絵に描いたりして、それを様々な形で発表し、みんなで楽しむこと。ジャンルとして、文化として、技術として成熟させていくこと。それはすべて、人間の仕事です……って言いきっちゃって大丈夫かな。不安だな。

www.nicovideo.jp

 私はこのVOCALOIDイメージソングを愛してやまないのですが、それはそれとして、まず間違いなくこうはならないと思うのです。――君(人間)が死んだら、歌は死ぬんです。あなたはひとりじゃうたえないの。残念だけど。

 同様に……とは言えませんが、今年は計3万人以上を動員したこの大規模イベント「マジカルミライ」には、運営して下さる方がいるわけです。何当たり前のことを言っているのかという話ですが、このイベントがいつまで続けられるのかは、私たちお客さんの行動次第で決まるのかもしれないんだよなって。今回――今回「も」らしいですが、マジミラ参加者のごく一部に公序良俗に差し障る行動をされた人がいたそうで。そのせいで来年から運営形態(?)に変更があるかもしれない、という内容のツイートも見かけました。うろ覚えですが。

 話がだらだらとまとまりに欠けていて申し訳ないのですが、言いたいことはさっきも述べました「ミライを創っていくのは、私たち人間だ」の一言に尽きます。私はこのボーカロイドという愛すべき存在、そしてそれが媒介となって生み出される無数の現象や創作物、交流などを見続けていたい。いつまでも、いつまでもそばにいたい。

 ボーカロイドについて私ひとりにできることには限りがあります。特に、今の私には。

 ボーカロイド自身やそれ関連の創作物を見て聴き、感想を言うなどして一人でも多くの方にその魅力を知ってもらうこと。素敵な曲を使わせていただき、聴いていて心地よい音の流れを目指したDJmixを作り公開すること。そして、今書いているこのブログ記事のように、ボーカロイド及びそれ関連のものに関しての文章・小説などを書き連ねてネットの海の中で見ていただくこと。これくらいなのです。

 だけど大丈夫。少しずつでもできることは増やしていきたいし、何より"みんないるんだ ここに 一人じゃない"んです。同じ「ボーカロイド」を愛する者たちで、前向きで建設的な方向に舵を切れたら。協力し合えたら――きっとそこには、素晴らしいミライがあるはずです。とても大変で生半可なことじゃ実現できないのに、夢のような話をしているなと自分で思います。でも少なくとも私は、その夢物語を書き綴るお手伝いをしたいです。

 だって私は――ボーカロイドが大好きで大好きで大好きで仕方がないんだから!

 

 そんなことを思わせてくれる、素敵なイベントでした。「マジカルミライ2017」は。

 

あとがき(のようなもの)

 ここまでで実に約15,000字もある文章を読んでくださった皆様に、心からの感謝を送ります。最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。

 もしこれを読んで何か感じるものがあったという方がおられましたら、それ以上に幸いなことはありません。願わくば、これからも一緒にミライを創っていきましょうね!